彼女がお嫁入りにあたり母親から受け継いだ染付の平皿は、お呼ばれした際に銘々皿として食卓にありました。
何度かこの皿で食事を楽しんだことがあり、その度に染付への憧れが募っていったものです。
「あたし、やっちゃったよ...」と連絡があり、まさかこの皿だったときは流石に私も残念な気持ちになり、それから、「あの素敵な皿私が直していいの!?」と緊張しました。
仕上げを金にするか銀にするか随分悩んだあと、経年変化を共にできる銀を彼女は選びましたが、仕上げてから暫く経った姿は、その選択が大正解だったことを静かに教えてくれています。